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はじめに

昭和38年8月14日ホテル八重洲龍名館において東洋製罐株式会社(花岡氏、桑原氏、村上氏)、北海製罐株式会社(藤田氏)、大和製罐株式会社(金田氏、佐藤氏)、九州製罐株式会社(岡田氏、杉山氏)、富士製罐株式会社(中山氏)、亜細亜金属工業株式会社(有山氏)日本製缶協会(阿江氏、山崎氏)総数6社(12名)の出席で開会を宣しました。
その後アルミ缶製造メーカーも参加して、創立僅か半年余りで金属エアゾール缶製造者のほとんどが加入するに至りました。
翌年昭和39年、缶にバルブがセットされて初めてエアゾール容器としての価値が生じるとの考えから新しくバルブメーカーの加入により協議会の組織が確立しました。
その後の合併・廃業・入退会等により、現在は会員10 社となっています。

昭和38年(創立)~昭和49年

当協議会創立時、最初に取組んだことは1. エアゾール容器の名称統一2. エアゾール容器の規格統一3. エアゾール容器の関係法規に対する改定要望でした。法規に関しましては特に、1) 未使用の容器であること(故缶再使用防止禁止)、2) 容器に製造者の名称又は記号が表示してあること等に取組みました。
故缶再使用防止につきましてはヘアーラッカー業界に於いて問題が発生しており急務とされましたがなかなか進捗せず、業界として要望だけでなく「再充填防止バルブ」を開発し積極的に切り替えを進めてまいりました。
「容器に製造者の名称又は記号を入れること等」の当協議会の取り組みにつきましては官庁、消費者から高い評価を受け、故缶再使用につきましても禁止がはっきり打ち出されました。
設立5年目にあたる昭和42年度に下記の通り初めて事業計画が立案されました。
1. エアゾール関連業界の協調推進のための方策を検討し、積極的に当協議会はその役割を果たすことに努める 2. エアゾール関係団体協議会を通じて、各関係団体との連絡を緊密にし、同協議会の活動強化に努める 3. その他(製品に対する反省点) 1)(製品の)技術的改善 2) 市場検査 3) PR 4) 容器自身の規格問題の方針を検討。
その他の出来事としましては昭和42年エアゾールの試験に関して「任意抜き出し」が削除されたため「エアゾールは一つ一つ全数検査をしなければならない」と改正されました。
また、昭和43年には消費者保護基本法が公布され人体用エアゾール( ヘアースプレー等) の鉛含有率は「危険」であるとし、今後鉛半田缶使用禁止が謳われ、鉛半田缶から錫半田缶への切り替えを推進するように指導がありました。


WS001583.jpg東京パックに日本エアゾール協会と共同出展消費者保護基本法の成立を機に消費者へのエアゾールの啓蒙・PRを積極的に行うべきとの考えから、当協議会は日本エアゾール協会と共同で東京国際包装展(呼称は東京パック)に参加しました。
昭和44 年は、1. エアゾール容器の耐圧試験法の確立 2. エアゾール製品の海上輸送規制の改正 3. エアゾール試験法のJIS規定 4. 市場在庫から発生する化学的作用の問題等、高圧ガス取締法関連の見直しが頻繁にあり、それに対処する年でもありました。


同じ年NHKラジオ「私達の意見」で、一消費者の意見として「エアゾールの使用後のあき缶は危険防止の上から穴をあけてから捨てるようにメーカーは指導すべきである」旨放送され通産省保安課はこの問題を取り上げ、高圧ガス保安協会に保安対策として何らかの方法を立案するよう指示がありました。


WS001584.jpg昭和45年国際エアゾール会議東京大会エアゾール業界団体で協議し「穴をあけることは危険である」としましたが、最終案がまとまらずその間自治体等は「穴あけの指示」を指導して更に問題が発生しました。
昭和45年は日本万博博覧会(大阪)に併せて国際エアゾール会議東京大会を開催したことにより、世界のエアゾール業界とのパイプも出来、更なる発展が期待されました。
反面消費者保護行政と公害問題が激しく社会問題化した結果、エアゾール製品の安全性と廃棄物処理問題がクローズアップされ厳しく追及される情勢になってきました。
昭和46年はエアゾール製品に関する公害問題から 1. 容器耐圧問題 2. 鉛半田缶問題 3. 廃棄処理問題 等が取り出されました。
1. 容器耐圧問題につきましては当協議会でエアゾール容器の耐圧試験に関する基準を作成し業界並びに官庁が了承・公認化されました。
2. 鉛半田問題につきましては昭和43 年錫半田缶切り替え推進から全面切り替えとしました。


昭和50年~昭和63年

昭和50年に海外に於いてフロンガス使用禁止問題が勃発し種々対応に追われました。
最終的には昭和63年フロンガスの規制を目的とするモントリオール議定書発効され一応落ち着きましたがその削減目標に対し努力する必要に迫られ今日にも継続案件となっています。
この問題に端を発しまして昭和51 年官庁より容器問題の自主基準(板厚問題等)、昭和53 年フロンガスの代替えとして日本だけが使用禁止しているLPGの使用再許可が再燃し、この安全性を保障する手段として容器及びバルブの安全性のJIS化が表面化しました。
WS001585.jpg昭和58年当容器協議会にて「3ピース缶缶胴板厚自主基準」策定更に昭和54年輸入エアゾール製品の輸入検査不合格から端を発し、非関税障壁(NTB)ではないかとの指摘があり改めて「エアゾール容器の板厚問題」がクローズアップされました。当協議会は通産省保安課からの依頼で板厚を変更することによる影響を種々テストし、その結果を以って昭和56年「エアゾール容器基準委員会」を設置し種々検討した結果昭和57年非関税障壁から端を発したエアゾール容器の板厚規制撤廃を打ち出しました。
しかし需要先の事情も考え各社統一したいとの考えからスチールメーカー3社で協議を重ね、昭和58年エアゾール板厚問題を業界側で自主規制するための基準設定を取り決め、当協議会から新聞発表を行いました。


平成元年から現在

社会・経済が成長するにあたり環境保全、環境整備、資源の再利用等地球全体を保護する必要が生じてきて、フロン問題、公害問題等の即ち環境が永遠のテーマとして今日に至っていますので平成元年以降は各テーマごとに述べさせていただきます。

1.環境問題(オゾン層保護対策)について
フロンガス問題は昭和62年カナダ・モントリオールにおきまして「オゾン層を減少させる物質に関する議定書」が策定選択され日本もこの議定書に署名しました。
昭和63年「エアゾール関係技術委員会」が設置され当協議会も参加、引き続き平成元年高圧ガス保安協会内に「エアゾール製品検討委員会」を設置、フロンガスに伴うLPガスを使用するための法律改正を検討し、LPG等の噴射剤の使用を認めるとのことで、積極的にLPG、DMEが推進されました。
その際従来の燃焼性区分を廃止し、エアゾール缶の「表示方法」を改正しました。
平成12年地球温暖化防止対策(HFC-134a 使用抑制対策)としまして低GWPがHFC-134a のほぼ1/11のHFC-152aが入手可能となり切り替えが進みました。
平成24年は人体用エアゾール製品に使用できる噴射剤の選択肢を増やすためにHFO-1234ze(E)を人体用エアゾール製品に使用できるよう推進されています。 
併せて当該エアゾール等の技術基準に適応、安全性を図るため、「エアゾール製品試験検査要項」に関する自主基準規定制定を進められています。
また、この「エアゾール製品試験検査要項」制定後、当協議会独自で「エアゾール容器試験検査項目」も作成する予定にしています。

2.使用済みエアゾール容器の廃棄処理問題について
平成3年「再生資源利用促進法( リサイクル) 法」成立・施行にあたり、エアゾール缶を「特別管理一般廃棄物」に政令で指定検討対象にしていると言う情報があり平成2 年エアゾール業界としても「廃棄物処理対策等協議会」が発足、翌年引き続き「エアゾール製品処理対策協議会」を発足し当協議会も参加しました。
平成5年には平成3 年より継続検討を行っている「エアゾール容器の廃棄処理問題」に関し、環境省は「廃掃法」の「適正処理困難物」に指定すべきか検討中とのことで、エアゾール協会内に「廃棄問題対策委員会」を設け、当エアゾール業界としましては「使い切って捨てること」が有効な策であるとの要望を行い、結果として平成6年「適正処理困難物」には指定されませんでした。


WS001586.jpg平成7年「使用済みエアゾール容器の安全廃棄方法」屋外電光画像・文字放送但し、「適正処理困難物以外の製品に対する処置」としましてエアゾール缶・カセットこんろ用燃料容器の製造・販売を行う業者は廃棄方法につきまして広報を行う事との要請がなされ、「使用済みエアゾール容器の安全廃棄方法」の広報活動として平成7年から平成8年にかけまして「屋外電光画像・文字放送」を行いました。更にパンフレット「エアゾール製品の正しい使い方と捨て方」が作成され配布されました。
また、「使い切って捨てること」の徹底と「穴あけ」はやめるよう要請されました。
政府は国民生活審議会の答申をうけて本年中に「製造物責任(PL) 制度」の法制化検討とのことなので「エアゾール製品の安全な使用法と容器の廃棄法」の推進が図られました。
平成9年通産省では「エアゾール製品表示検討委員会」を開催、更に「エアゾール缶排出実態調査報告書」のまとめ及び本報告書の容約「エアゾール缶の安全で適切な処理について」の作成と配布が行われました。
また、東京都清掃局及び東京消防庁主催による「エアゾール缶等適正処理対策検討委員会」が設けられ、「エアゾール缶等適正処理指導指針」が検討されました。
その他には容器包装廃棄物の分別収集施行が開始され、容器包装廃棄物の分別に関する省令も公布されました。


WS001587.jpg「正しい使い方・保管の仕方・排出の仕方」ビデオ作成平成15年広報・啓蒙としまして「エアゾール製品の正しい取り扱い方(使うとき・保管するとき・排出するとき)」の消費者向けビデオが作成・配布されました。
また、「エアゾール缶回収処理システム構築調査事業」を立ち上げ費用を算出した結果、業界に16億から47億円もの費用負担を強いるもので協議し「処理機の提供」と言う極小化の対策を策定し理解を得られ平成18年経済産業省・環境省の支援の下に、エアゾール製品処理対策協議会と中央適正処理困難指定廃棄物対策協議会(事務局(社)全国都市清掃会議) と「覚書」が取り交されました。


1)基本的事項
  ①中身排出機構の装着、小型化を推進
  ②中身の使い切りや中身排出機構の使用を消費者に周知する 
  ③消費者からの相談窓口を整備する
2)補完的事項
  ①市町村に簡易処理機を譲与する
  ②中身排出機構の使用実態、火災事故の実態調査により、新たな取り組みの効果を検証する
平成14年は識別表示を義務化し平成15 年はエアゾール製品の正しい取り扱い方に関するビデオを作成しました。
また、平成18年は市町村に簡易処理機の譲与と負担方法の取り決めを実施し平成21 年までに処理機の譲与が完了し、その後平成22年度と平成24年度の2回にわたりエアゾール缶等の排出実態調査を実施し平成25年度にその結果の報告がされました。


WS001588.jpg「エアゾール缶等の中身の使い切り・出し切りにかかわる」パンフレットまた、広報リーフレットによる「ガス抜きキャップ」の使用普及と「使い切り、出し切り」等の啓蒙活動も3回にわたり実施されました。
引き続き中央適困協より ①中身排出機構の型式の出来る限りの統一 ②「呼称」の決定 ③統一マークの作成等対応を求められ、「呼称」については「ガス抜きキャップ」で統一、併せてガス抜きキャップ型式調査も行い型式の集約につきましてはデーターでは良い結果となっていることが報告されました。



3.使用済みエアゾールのリサイクルについて
平成7年「包装容器リサイクル法」施行規則公布、平成9年施行されるのに先立ち平成8 年に「アルミ容器包装リサイクル促進連絡会」が発足し「アルミ製包装容器リサイクル・ハンドブック」を作成配布しました。
併せて「エアゾール及びカセットボンベ等の円滑なリサイクルシステム」構築にも取り組みました。結果、業界独自に依る収集処理は不可能で「使い切って」から一般廃棄物として廃棄し、廃棄処理業者にて最終処理を行うよう要請しました。
「包装容器リサイクル法」の省令として「エアゾール容器包装の分別収集基準」で「付属品を除去することが容易なもの」と規定されており、平成8 年容器包装廃棄物の分別収集施行に先駆け当協議会が主導的立場で業界として「キャップや噴射ボタンを取り外す方法」に就いて各開発を行ないました。
・各容器メーカーにて一部の付属品(ショルダーカバー等)の除去が容易な方法
・使い切れないエアゾール製品に対する「ガス抜き装置付きキャップ」
平成11年経産省の「平成11年度廃棄物等処理再資源化推進(エアゾール缶等のモデルリサイクルシステム調査)」委託業務によりアンケート調査を実施し、平成12年「エアゾール缶等に関する自治体アンケート調査報告書」を作成し配布しました。
平成13 年産業構造審議会廃棄物・リサイクル小委員会「品目別廃棄物処理・リサイクルガイドライン(エアゾール缶)」においてマニュアル作成が要望され、「エアゾール製品の識別表示ガイドライン」を作成したのに続き「エアゾール製品の易リサイクル設計マニュアル」を取りまとめました。
広報リーフレットの作成、又テレビ(世界一受けたい授業)、新聞(ののちゃんのDo化学)等でも紹介されました。

4. エアゾール製品の安全問題について
平成2年防水スプレー中毒事故を受けて「防水スプレーの取扱いに関する研究班」を設置翌平成3年「防水スプレー連絡会対策小委員会」におきまして「統一表示」の決定に合わせてエアゾール製品の表示「警告表示および注意表示」の色調に関して判断基準が策定されました。
平成7年製造物責任(PL)法が施行される前に注意表示について平成6年「エアゾール防水剤の安全性向上のための暫定指針」を作成し、推進してきましたが依然事故は無くならずエアゾール製品の安全性が重要な課題となり、当協議会としても容器の表示関係「警告表示」「注意表示」等の改善が必要となりました。
そのため平成9年「エアゾール製品表示検討委員会」を開催し「表示改定案」を作成し通産省へ提出しました。
その他に平成8 年に中学生の間で「ガスパン」遊びでの死亡事故が発生し吸引事故に対する対策を検討いたしました。

5. 容器耐圧強度規定の見直しについて
WS001589.jpg平成22年「3ピース缶缶胴板厚自主基準」解除平成2年に通産省より、告示「高圧ガス取締法の適用を除外する液化ガスを定める件」の三項4に記載されている「但し書き(変形圧13kg/㎠以上 破裂圧15kg/㎠以上)」を削除したいと言う要求があり検討事項とされました。
併せてホイップドクリームのエアゾール化に端を発して容器耐圧強度規定の見直し、GHS化の流れから国際整合性「但し書きを削除」を謳ってきました。
当協議会も容器強度のガイドラインを作成するため調査を行いましたが、依然として「但し書き削除」には至っておりません。
しかし、当容器協議会は前述しました板厚問題があり結果として昭和58年エアゾール肉厚問題を業界側で自主規制するための基準設定をおこない当協議会から新聞発表を行いました3ピース缶缶胴板厚自主規制に対し平成18年から容器耐圧強度規定の見直しを行い、平成22年3ピース缶缶胴板厚自主規制の解除を致しました。



6. その他の主な出来事
平成21年カーボンフットプリント(環境負荷表示)制度の基本ルールが決定し、取り組みも進めてまいりました。